研究実績の概要 |
加齢に伴う退行性変化として椎間板は変性し椎体には骨棘が形成される。また、椎間板変性が起きた椎間は腰痛や脊柱管狭窄、椎間不安定性を引き起こし多くの脊椎疾患の主要な原因と考えられている。しかしながら、その根本的な原因として脊椎の構造すなわち椎体と椎間板の形成さらには変性過程について、どのような因子が関与し機能しているのか未解明な部分が多い。 本研究の目的は、髄核に発現するSonic hedgehog (Shh) と椎体終板に発現するIndian Hedghog (Ihh) 、ならびに双方のHgedhhogシグナル伝達に関与する膜蛋白のSmoothened (Smo) の時間特異的、組織特異的なノックアウトマウスを作成し椎間板の形成、変性過程でShh, Ihh, Smoを欠失させ、それらがどのように機能するかを解明することである。 H27年度は、マウスにおける椎間板変性を促進するモデルを作成し、椎間関節の切除量により椎間板変性の程度に変化があるか確認した。また、椎間関節切除後のマウスを高所に登ることで水分補給できる飼育ケージを用いて飼育し、運動負荷モデルを作成した。現在、組織切片を作成し、運動負荷の有無により変性の程度に違いがあるか検討中である。また、Smoの時間特異的ノックアウトマウスが作成できたので、それを用いて椎間板変性促進モデルを作成し、椎間板変性が抑制されるか否か、画像的にX線撮像、CT撮像にて検討、ならびに組織学的にも検討中である。
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