研究課題
本研究の目的は申請者らが樹立したドキシサイクリン誘導SS18-SSX抑制滑膜肉腫細胞株を用いてin vitro, in vivoで滑膜肉腫細胞における融合遺伝子SS18-SSX抑制による抗腫瘍効果を評価し、融合遺伝子が創薬ターゲットとなり得るかを評価すること、融合遺伝子のin vitro, in vivoでの機能を解析し、融合遺伝子の下流分子で治療・創薬ターゲットとなるものがあるかどうかを検討することである。1)滑膜肉腫特異的融合遺伝子SS18-SSXの腫瘍原性の評価;滑膜肉腫特異的融合遺伝子が、腫瘍原性に与える影響を評価した。In vivo実験系においてSS18-SSX抑制群で腫瘍形成が有意に抑制されていることが確認できた。SS18-SSXが腫瘍の発生に影響し新規転移抑制の治療ターゲットとなりうることを確認した。2)滑膜肉腫特異的融合遺伝子SS18-SSX抑制による抗腫瘍効果の評価;滑膜肉腫特異的融合遺伝子が、腫瘍増殖に与える影響を評価した。In vitro, in vivoの実験系においてSS18-SSX抑制群で腫瘍増大が有意に抑制されており、既存腫瘍に対する抗腫瘍効果が確認できた。SS18-SSXが既存腫瘍に対する治療ターゲットとなりうることが確認できた3)融合遺伝子標的の下流分子の検討;SS18-SSXはクロマチンリモデリングやメチル化を介して遺伝子の発現制御を行っていることが報告されているためIn vitroの実験系においてSS18-SSXを抑制しメチル化アレイを行い遺伝子発現の解析を行った。現在SS18-SSX抑制により変動のあった遺伝子を抽出し、抗腫瘍効果やその役割を解析中である。本研究によりヒト滑膜肉腫細胞において融合遺伝子によりどの様に遺伝子制御が行われているかが解析可能であり、病態解明や新規治療ターゲットの発見が可能と考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)
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