骨軟部肉腫に対するより強力な新規治療法の確立のための基礎的研究として,腫瘍悪性化・増生の根幹となる未分化能(肉腫幹細胞)と関連する因子としてミトコンドリア機能に着目し,我々が開発した炭酸ガス経皮投与による低酸素環境改善の有効性について検討した. 骨軟部肉腫において未分化能の指標であるiPS関連因子の発現が高いこと,ミトコンドリア機能が低下していることが確認され,いずれも低酸素環境によってより増強することを明らかにした.さらに炭酸ガス経皮投与による低酸素環境の改善によって未分化能の低下,ミトコンドリア機能の改善を生じることも確認され,骨軟部肉腫に対する新規治療法となり得ることが期待された.
|