研究課題/領域番号 |
26462267
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
久保 忠彦 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(医), 准教授 (70397959)
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研究分担者 |
越智 光夫 広島大学, その他部局等, 学長 (70177244)
下瀬 省二 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 統括診療部長 (30304439)
藤森 淳 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 医師 (70632256) [辞退]
坂口 剛正 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70196070)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨肉腫 |
研究実績の概要 |
VSV-Katushkaを感染させたラット骨肉腫細胞MSKとヒト正常間葉系細胞MSCを蛍光顕微鏡下に観察した。低濃度の感染でもMSKのみに近赤外線蛍光を認め、腫瘍細胞特異性を確認した。 ネンブタール麻酔下に6週齢F344ラットの下腿筋内に高肺転移性ラット骨肉腫細胞 MSK (1 X 107 cells)を移植し、骨肉腫動物モデルを作成した。移植後毎週X線撮影を行い、脛骨骨破壊像、肺転移巣の大きさを観察した。隔週に屠殺し、骨肉腫腫瘍径、肺転移巣数を観察評価した。 腫瘍径が10mmに達したことを確認後、Isolated regional perfusion法を用い組換えウイルスを投与した。イソフルレン全身麻酔下に腫瘍移植1週間後、手術用顕微鏡を使用し、患側大腿動静脈に24ゲージカテーテルを挿入し、人工心肺装置を接続、その中枢部で駆血を行い、患側下肢血流を体外循環させる。動脈へのポンプ流量は2ml/mimとし、静脈からのフローはポンプをラットより低い位置に置き、重力により行った。回路中のリザーバーにて1L/minの酸素化を行った。5単位/mlへパリン生食にて5分回路を流した後、VSV1.3x107 plaque-forming unitsをリザーバーより加え15分間循環させた。さらに1分間へパリン入り生食で洗い流した。対照群として生食投与群を作成した。経時的に腫瘍体積、ラット体重を計測した。さらに、比較検討のためウイルスを局所投与、静脈投与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記のように計画通り今年度の実験を完了した。 ネンブタール麻酔下に6週齢F344ラットの下腿筋内に高肺転移性ラット骨肉腫細胞 MSK (1 X 107 cells)を移植し、骨肉腫動物モデルを作成した。腫瘍径が10mmに達したことを確認後、Isolated regional perfusion法を用い組換えウイルスを投与した。さらに1分間へパリン入り生食で洗い流した。対照群として生食投与群を作成した。経時的に腫瘍体積、ラット体重を計測した。さらに、比較検討のためウイルスを局所投与、静脈投与した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り以下の実験を行う予定である。 近赤外線蛍光バイオイメージングを用いた鏡視下腫瘍広範切除 VSV-Katushka投与後、近赤外線蛍光観察用マクロイメージングシステムを用い、鏡視下に蛍光を発する領域を一塊に切除。凍結切除標本を作成し、VSV-G 抗体を用いて免疫組織化学染色を行う。腫瘍細胞領域、ウイルス感染細胞領域(VSV-G 抗体免染標本)、蛍光発色領域を比較し、広範切除の正確性、再現性を検討する。経時的に局所再発、遠隔転移、生存率を観察する。転移巣に対しても同様な実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
近赤外線蛍光観察用マクロイメージングシステムが申請時のシステムでは蛍光微弱なため腫瘍可視化が困難なことが判明したため、動物実験施設の共同設備である超微弱蛍光イメージングシステム(WinLight32, Berthold)を使用することに変更した。使用するウイルスが大臣確認が必要なウイルスであったため、申請時は施設的に使用不可能であったが、間もなく追加許可承諾の予定であり、そのためWinLight32の追加備品の購入が次年度繰り越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
実験系自体は当初の計画通り、以下のように行う。 近赤外線蛍光バイオイメージングを用いた鏡視下腫瘍広範切除 VSV-Katushka投与後、近赤外線蛍光観察用マクロイメージングシステムを用い、鏡視下に蛍光を発する領域を一塊に切除。凍結切除標本を作成し、VSV-G 抗体を用いて免疫組織化学染色を行う。腫瘍細胞領域、ウイルス感染細胞領域(VSV-G 抗体免染標本)、蛍光発色領域を比較し、広範切除の正確性、再現性を検討する。経時的に局所再発、遠隔転移、生存率を観察する。転移巣に対しても同様な実験を行う。
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