間葉系幹細胞(MSC)においてp53蛋白は骨芽細胞分化や脂肪細胞分化を抑制する。同一個体からALT/WDL組織と正常脂肪組織を採取し、MSCを分離培養し、骨芽細胞分化能と脂肪細胞分化能を比較した。脂肪分化能においては、我々の予想に反して、正常脂肪由来MSCにおいてより多くの脂肪滴が認められた。対照的に、骨芽細胞分化能においては、ALT/WDL由来MSCでより高い分化能を認めた。ALP染色に基づく骨芽細胞分化能の差異はMDM2特異的阻害薬Nutlin-3濃度が上昇するにつれて減少した。ALT/WDL由来MSCにおけるMDM2遺伝子の増幅がより高い骨芽細胞分化能をもたらしている可能性が示唆された。
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