研究課題
同種組骨織移植へのコラーゲン結合型成長因子(bFGF)の応用を目的とし、ウサギ骨軟骨欠損モデルを用いて成長因子固相化同種骨移植の有用性を検討した。ウサギ大腿骨顆部よりシリンダー型の骨軟骨組織を採取した。我々が過去に報告した10%同種血清添加UW液および米国で保存液として使用されているDMEM細胞培養液の2つの保存液中で採取した骨軟骨組織を7および14日間保存した。保存期間終了後、15分間、bFGF結合コラーゲンに浸漬し、軟骨組織に成長因子固相化を行い、別のウサギ骨軟骨組織欠損モデルに移植した。コントロールとしてbFGFを結合させない骨軟骨組織を、ウサギの骨軟骨組織欠損モデルに移植した。移植後4週間および8週間経過後に安楽死させ大腿骨顆部を採取した。採取した組織をμCTおよび組織標本にて検討を行った。組織学検討では、HE染色およびサフラニンO染色を行い、骨癒合、軟骨の修復過程、軟骨変性を評価した。その結果、μCTによる評価では、いずれの標本も4週より骨癒合が始まり、8週目には完全に骨癒合を認めた。bFGF結合骨軟骨組織では骨質の差異が示唆される所見が得られた。組織学的にも骨癒合はどの標本も認められた。移植後の軟骨組織の修復の程度および軟骨組織の変性の程度は、保存液中での保存期間および移植後の数週のよる差は認められたものの、bFGF結合の有無には明らかな差は認めなかった。今回の申請研究課題の仮説として、成長因子結合骨軟骨組織移植により、骨癒合および軟骨修復の程度に差異が認められることを予測したが、差は認められなかった。しかし、bFGF結合骨軟骨組織移植後の骨組織骨質に変化を示唆する結果が得られており、今後さらなる検討を要する。
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Journal of pain reserch
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Journal of orthopaedic surgery and reserch
巻: - ページ: -
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