研究課題/領域番号 |
26462278
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉田 衛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10266702)
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研究分担者 |
舟崎 裕記 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70199412)
丸毛 啓史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70199925)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腱付着部症 / トレッドミル / 動物モデル |
研究実績の概要 |
1.腱付着部症の実験動物モデルの作製 Flatowの方法に従い、トレッドミル機械を用いて、ウイスターラットに走行運動を負荷し、膝蓋腱の腱付着部症動物モデルを作製した。すなわち、生後16~18週の雄ラットに2週間の馴化訓練を行い、走行可能なラットを選択後、10%の傾斜を設けたトレッドミル機械を用いて、40日間で合計40km(平均速度0,5km/h)の走行運動をラットに負荷し、膝蓋腱の腱付着部症モデルの作製を試みた。 2.自発運動量の測定と病理組織標本による腱付着部症発症の確認 自発運動測定装置を用いて、ラットの夜間12時間の自発運動量を測定し、トレッドミル走行により、走行前と比較し自発運動量が25%以上低下したラットを選択し、このラットの腱付着部の病理組織標本を作製し、組織学的に腱付着部症が発症したことを確認した。なお、ラットの自発運動量は、個体差が大きいため、同一個体における自発運動量の変化率を測定した。病理所見としては、腱付着部における腱組織の微小断裂(micro tear)と腱束に沿った層状断裂(lamination)である。トレッドミル走行を開始したラットの約80%のラットがトレッドミルを完走し、そのうち約90%のラットの自発運動量が走行前のそれと比較し25%以上低下し、腱付着部症を発症した。 3.ラット膝蓋腱への注射方法の確立と至適注射量の決定 ラット専用の気化器とイソフルランを用いて、ラットを吸入麻酔し鎮静化した後に、膝関節部を剃毛し、膝関節の内側または外側より、27ゲージの二段針と0.5mLシリンジを用いて、膝蓋腱と膝蓋下脂肪体との間に正確に、等量の薬液を、ラットに侵襲を加えることなく注射する方法を確立した。また、色素を混ぜた様々な容量の薬液を、同様の方法で注射することにより、関節内へ漏出しない最大容量が、30 micro Lであることを見出し、注射容量を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究を施行している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における最大の懸案事項であった、腱付着部症の動物モデルの作成事項は、昨年度の研究により、成功し、その作成方法は確立したため、本研究における重要課題は克服され成し遂げられたものと考える。今後の研究は、技術的に比較的容易であることより、計画通りに順調に進行するものと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予測より腱付着部症の発症率が軽度高かったため、その分、ラットの購入数を減らすことができ、その分、購入費を節約することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費用に繰り越しし、実験費用に使用する予定である。
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