本研究では、血小板濃度50-100万/micro Lの自己多血小板血漿を、腱付着部症に注入した結果、疼痛誘発分子の発現が低下し、疼痛が消失し、自発運動量が増加し、組織と遺伝子発現レベルで腱の修復が促進され、細胞アポトーシスが抑制され、酸化ストレスが軽減した事が明らかになり、腱付着部症の治療に、PRPが安全で有効であることが、動物実験で判明した。ヒアルロン酸単独注入でも、本疾患に対する治療効果は得られるが、PRP治療と比較すると、その効果は弱く、ヒアルロン酸とPRPの混合による治療相乗効果は、本研究では、得られないことが判明した。今後は、治療に至適な血小板濃度の確定などの研究が必要である。
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