研究課題/領域番号 |
26462280
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
松尾 俊宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90397977)
|
研究分担者 |
杉田 孝 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (40235883) [辞退]
谷山 清己 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (50163639)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 血中循環がん細胞 / 軟部肉腫 / テロメラーゼ / ウイルス |
研究実績の概要 |
肉腫における末梢血中循環がん細胞 (circulating tumor cell: CTC) をテロメラーゼ (human telomerase reverse transcriptase: hTERT) 発現癌細胞にのみ増殖するウイルスマーカー(テロメスキャン)を用い検出した.またCTCと臨床因子との関連性を分析した.現在までに28検体に対しCTCの測定を行ったが,そのうち術前後の測定が可能であった10例20検体に対して分析を行った.性別は男性5例,女性5例で,平均年齢は72.7歳 (44-86歳) であった.病理診断は粘液線維肉腫5例,脂肪肉腫2例,未分化多形肉腫1例,線維肉腫1例,平滑筋肉腫1例であった.発生部位は胸壁4例,下腿4例,大腿1例,腸腰筋1例であった.組織グレードはgrade 2が5例,grade 3が5例であった.肺転移を3例に認めた.術前CTC数は1.9±2.4個 (0-6)で術後CTCは2.6±5.6個(0-18) であり,両群間に有意差を認めなかった (p = 0.704).CTC数と臨床因子との比較では,術前CTCでは年齢 (p = 0.153),性別 (p = 0.714),発生部位 (p = 0.254),転移 (p = 0.650),組織グレード (p =0.538) であった.術後CTCでは年齢 (p = 0.603),性別 (p = 0.338),発生部位 (p = 0.338),転移 (p = 0.022:転移あり;8.33,転移なし;0.14),組織グレード (p = 0.190) であった.術前CTCと比較し術後CTCが増加した症例すべてに肺転移を認めた.術後CTCが増加していない症例に関しては現在までに転移を認めていない.術前および術後のCTC数の変化,もしくは術後CTC数が転移の予測因子となる可能性がある.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度より症例数を増やしている.CTC数と臨床因子との比較検討を行えており,有意差を認めた項目もある.
|
今後の研究の推進方策 |
現在,研究協力施設であるオンコリス社が検査方法などのプラットフォームを再構築中であり,研究は停止している.7月より研究開始見込みであり,これまでと同様に肉腫のCTC数測定を継続する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究協力施設の検査方法等のプラットフォームを改築中であることや研究者の転勤などにより対象症例数が予定より少なくなった.
|
次年度使用額の使用計画 |
引き続き研究を継続し,症例数を増加していく予定である.また,現在の成果を学会や,論文等で報告を行う予定である.
|