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2014 年度 実施状況報告書

肩関節前方脱臼モデルの開発ー病態解明と手術術式の検証のためにー

研究課題

研究課題/領域番号 26462282
研究機関東北大学

研究代表者

山本 宣幸  東北大学, 大学病院, 講師 (80375287)

研究分担者 井樋 栄二  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80193465)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード脱臼実験装置 / 磁気センサー / 関節鏡システム / レントゲン透視装置
研究実績の概要

1.肩関節脱臼を模擬するために過去に報告されている肩関節脱臼の肢位に関する論文を調べたが、具体的な脱臼肢位を明らかにした報告はなかったため脱臼患者100肩のCT画像を用いてHill-Sachs損傷が生じる肢位を計測する画像計測の研究を行った。その結果、外転は74度、外旋は27度の角度で生じていることが明らかになった。
2.予備実験として新鮮遺体肩を用いて徒手的に脱臼させた。外転外旋位の位置で水平外転を強制し、前方脱臼を生じさせた。脱臼後関節内を観察すると、いわゆるBankart損傷様のものは生じていた。しかし、骨頭の陥没骨折であるHill-Sachs損傷はみられなかった。次に万能試験機に死体肩標本を設置し、外転外旋位のまま上腕骨を関節窩に圧迫した。すると脱臼した際の圧迫力は850Nであり、その時に骨性Bankart損傷が生じていることが分かった。しかしHill-Sachs損傷はみられなかった。そこで次に関節窩を人工骨に変えて骨頭を人工骨に圧迫した。すると946Nの力が加わった時に骨頭の陥没骨折は生じた。以上の予備実験から関節窩骨欠損は脱臼時に、Hill-Sachs損傷は脱臼後に生じていることが推測された。
3.これまで関節窩骨折、Hill-Sachs損傷ともに脱臼時に生じていると信じられてきた。しかし、我々のCT画像を用いた研究ならびに死体肩を用いた予備実験で脱臼時に生じるのは関節窩骨折のみでHill-Sachs損傷は脱臼後、患者が腕を下にさげた際に生じるのではないかということが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肩関節を脱臼させるための実験装置の準備は概ね整ってきた。脱臼時に位置を計測する磁気センサーの購入を行い、脱臼時の位置の計測確認を行った。脱臼時の力の計測は万能試験機を用いるが、脱臼時の力の計測の確認は終了した。また脱臼時に骨欠損ができていることを確認するためのレントゲン装置の設置、関節内病変の確認のための関節鏡システムの購入も行った。

今後の研究の推進方策

今後はまず実験で使用する新鮮遺体肩の採取を行う。その後、新鮮遺体肩を実験装置に固定し、本当に脱臼が可能かどうかの検証実験を予備実験として行う。

次年度使用額が生じた理由

物品費の中の実験装置の作製に使用する費用支出が当初よりも少なかったため。初年度で脱臼装置を完成させる計画であったが、まだ特製の脱臼装置作製ができておらず、この経費105万円分が今年度の余剰金となっている。

次年度使用額の使用計画

脱臼装置はまだ作製途中であり、特製の脱臼装置が完成すれば当初の計画通りこの作製費用にあてる予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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