本研究では、転倒に伴う骨折を予防するため、転倒骨折リスク評価法の基盤を確立することを目的としている。転倒で骨折をきたす方の多くが、骨粗鬆症などに起因する骨強度低下をきたしている。骨強度をin vivoで高精度に評価する方法としてCT有限要素法(Imai et al. Spine 2006)がある。CT有限要素法を使用して、骨強度を評価し、またどのような転倒で骨折が生じやすいかを評価するために研究①を行っている。①転倒条件での骨強度予測:様々な転倒条件での骨折リスクを定量的に調べるため、CT有限要素法(Imai et al. Spine 2006)を使用して、様々な転倒を模擬した条件での骨強度及び骨折部位・骨折形態を、脊椎椎体について予測する。また、転倒の危険因子の探索を行うために研究②を行っている。②転倒の危険因子の探索:脳疾患の既往がない方を対象に、バランス機能評価・歩行解析・運動機能評価のそれぞれの因子と転倒との相関を調べ、転倒危険因子の探索を行う。 a.バランス機能評価:静的バランス評価として開眼片脚起立時間、動的バランス評価としてFunctional Reach Test、機能的バランス評価としてTimed Up and Go Testを行う。 b.歩行解析:通常歩行と最大歩行速度で、三軸加速度センサによる歩行解析を行う。歩行速度、歩行周期、歩幅、重心動揺を解析する。 c.運動機能評価:筋力として握力及び下肢筋力、柔軟性として長座位体前屈、移動能力として2ステップテスト(最大二歩幅÷身長)を評価する。
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