変形性関節症(Osteoarthritis, OA)は、慢性の炎症を伴う関節疾患で、関節軟骨の退行性変性および、骨軟骨の増殖性変化を特徴としている。多因子疾患であるため、発症の機序ならびに増悪のメカニズムの解析は未だ体系化されてるとは言い難い。本研究では、加齢に伴う自然発症のOAを再現できるマウスモデルを確立し、軟骨の退行変性の機序を検討することを主たる目的としている。本研究では、マウスに対して卵巣摘除を行なった後、トレッドミルを用いて強制走行を行い、過度の力学的ストレスを関節軟骨に加えることによって、膝関節に直接的な外傷を加えなくても再現性よくOA様変化を誘導できることを示した。
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