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2016 年度 実績報告書

骨髄肥満が骨芽細胞-骨細胞分化系列に与える影響とその制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26462302
研究機関産業医科大学

研究代表者

内橋 和芳  産業医科大学, 医学部, 講師 (60452835)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード骨髄肥満 / 骨細胞
研究実績の概要

加齢に伴って骨内では脂肪組織が増加し、骨組織が減少する。このいわゆる骨髄肥満(脂肪髄化)の進行にアディポカイン産生異常、遊離脂肪酸による脂肪毒性などの脂質代謝異常が関与している可能性を考慮し、本事業を行ってきた。本年度は、脂質代謝異常を誘導するため、グルココルチコイド(デキサメサゾン)を骨芽細胞-骨細胞系ならびに骨髄脂肪組織に投与し、さらに、脂質代謝改善薬であるピタバスタチンを投与して、その影響を検討した。骨芽細胞-骨細胞系に対しては、濃度依存性に増殖能・遊走能の低下、アポトーシスの増加、骨細胞分化の抑制、細胞外基質との結合性の低下を認めた。一方、骨髄脂肪組織に対しては、組織片周囲に新生する紡錘形の間質細胞に占める前脂肪細胞の割合が増加した。そこにピタバスタチンを投与すると、濃度依存性に前脂肪細胞の割合の低下がみられた。この結果は、ピタバスタチンが、デキサメサゾンによる骨髄内間葉系幹細胞からの脂肪細胞分化亢進を抑制することを示唆している。
これまでの研究により、脂肪組織は液性因子を介して骨芽細胞-骨細胞分化系列に対して、増殖抑制ならびに分化抑制を来すとともに骨芽細胞・骨細胞は脂肪細胞からの前脂肪細胞新生を抑制すること、レプチンを始めとするアディポカインの産生を変化させることが明らかとなった。すなわち骨芽細胞・骨細胞は骨髄脂肪に作用し、骨髄肥満を抑制する作用があると考えられる。また、スタチン系の薬剤は、骨髄脂肪組織における脂肪細胞分化の抑制とともに骨内の脂質代謝を改善し骨形成能の促進を誘導できる可能性があり、骨粗鬆症の新規予防・治療法として期待される。今後、検体数を増やすとともに、アディポカインや酸化ストレスマーカーの発現など脂肪細胞の機能に着目した研究、至適濃度の検討、他臓器に対する影響を含めた更なる研究が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differential effects of adipose tissue stromal cells on the apoptosis, growth and invasion of bladder urothelial carcinoma between the superficial and invasive types2016

    • 著者名/発表者名
      Kawasaki-Nanri M, Aoki S, Uchihashi K, Yamamoto M, Udo K, Nishijima-Matsunobu A, Kakihara N, Noguchi M, Uozumi J, Toda S
    • 雑誌名

      Int J Urol.

      巻: 23 ページ: 510-519

    • DOI

      10.1111/iju.13086

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Myxoid liposarcoma with pleomorphic cells: report of two cases with molecular confirmation of FUS gene rearrangements2016

    • 著者名/発表者名
      Uchihashi K, Matsuyama A, Nakayama M, Sakamoto A, Shiba E, Hisaoka M
    • 雑誌名

      Pathol Res Pract

      巻: 212 ページ: 1067-1070

    • DOI

      10.1016/j.prp.2016.08.001

    • 査読あり
  • [学会発表] 3次元培養における濾胞細胞の濾胞構築に与える脂肪組織の影響2016

    • 著者名/発表者名
      山本 美保子, 青木 茂久, 内橋 和芳, 米満 伸久, 杉原 甫, 戸田 修二
    • 学会等名
      第105回 日本病理学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-14

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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