研究課題/領域番号 |
26462303
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
水田 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (60174025)
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研究分担者 |
廣瀬 隼 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (40433007)
岡元 信和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (70600162)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / 軟骨細胞機能 / アポトーシス |
研究実績の概要 |
【目的】機械的刺激による小胞体ストレス応答の分子メカニズムを解明するために、小胞体ストレスセンサー蛋白の遺伝子発現を抑制あるいは過剰発現させた培養軟骨細胞を用いて、周期的伸展刺激(CTS)負荷の影響を検討すること 【方法と結果】ATDC5細胞をITS培地で分化誘導後、Perk、Ire1α、Atf6αの遺伝子発現をそれぞれsiRNAとlipofectamineを用いてノックダウン(KD)を行った後、0.5Hz、10%CTSを負荷した。qPCRにより小胞体ストレスをXBP1s、GRP78、CHOPの発現で、軟骨細胞機能をCOL2、ACAN、MMP13の発現で評価した。また、アポトーシスをELISAとTUNEL染色によるDNA断片化で評価した。その結果、正常細胞と比較してPerk KDとIre1α KD細胞ではXBP1s発現は変わらず、GRP78、CHOP、COL2、ACAN、MMP13の発現およびアポトーシスに有意差はなかった。一方、ATF6α KD細胞ではXBP1s発現は低下し、GRP78は44%の低下、CHOPは38%の増加を認めた。COL2とACANは24%、17%の低下、MMP13とアポトーシスは37%、54%の増加を認め、いずれも有意差を認めた。以上より、機械的刺激による軟骨細胞機能の低下とアポトーシスの増加に、ATF6αが重要な役割を果たす可能性が示唆された。そこでウィルスベクターを用いてAtf6α遺伝子を過剰発現させた細胞を作製し、同様の条件でCTSを負荷した。その結果、XBP1s発現は増加し、GRP78は15倍の増加、CHOPは25%の低下、COL2とACANは19倍、8倍の増加、MMP13とアポトーシスは14%、21%の低下を認めた。 【考察】機械的刺激による軟骨細胞の同化作用低下と異化作用亢進、およびアポトーシス増加にATF6αが関与する可能性が示唆された。
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