研究課題/領域番号 |
26462312
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50347449)
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研究分担者 |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20178031)
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 低酸素環境 / HIF-1α / HSP70 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,低酸素環境における軟骨細胞のストレス応答機構をanabolicな作用を軸に解析し,OAに対する新たな保存療法の道を開くことである.平成26年度は日本白色家兎の正常軟骨細胞を用いて,1%, 2%,5%,20%の低酸素環境で培養した.また,様々な時間(24,48,72時間)で低酸素環境下培養を行った.HIF-1αおよびHSP70の遺伝子発現をreal-time RT-PCRで,蛋白発現をWestern blottin法で解析した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず,酸素濃度の影響では,HIF-1αのmRNAの発現は,酸素濃度の低下に従って発現が亢進した.HSP70のmRNAの発現も同様であった.HIF-1αの蛋白発現は,酸素濃度の低下に従って発現が亢進した.HSP70の蛋白発現も同様であった.次に,低酸素環境下での培養時間の影響では,HIF-1αのmRNAの発現は,12時間以降,約7倍有意に上昇し,72時間までほぼ一定の発現を示した.HSP70のmRNAの発現は,12時間で約7倍有意に上昇し,24時間以降で約12倍,72時間までほぼ一定の発現を示した.蛋白発現は,HIF-1αおよびHSP70ともにmRNAの発現と同様の発現動態を示した.
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今後の研究の推進方策 |
以上の結果から,今後の培養条件は,酸素濃度1%,24時間が適切であると考える.平成27年度以降は,HIF-1αのchemical inducerやsiRNAを用いて,同様にHIF-1αおよびHSP70のmRNA発現および蛋白発現を解析する予定である.これにより,HIF-1αとHSP70が互いに及ぼす影響が明らかとなると考える.また,HIF-1αおよびHSP70がtype 2 collagenやaggrecanを始めとする軟骨基質蛋白の発現へ与える影響を解析する.
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