研究課題/領域番号 |
26462314
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
多田 昌弘 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 病院講師 (20514235)
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研究分担者 |
乾 健太郎 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00291592)
中村 博亮 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60227931)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / drug delivery system / 電気穿孔法 / 関節エコー |
研究実績の概要 |
本年度は、電気穿孔法に用いる電極の作成を行った。手指PIP関節及びMCP関節にフィットするように試作品を作成し、皮膚への刺激ができるだけ少なくなるように工夫を行った。手指PIP関節に関しては、関節を挟み込むように電極を弯曲させることで、関節と電極がフィットするように改良を加えた。MCP関節に関しては、関節の形態的な理由から、電極の先が皮膚に食い込むため、フィットする形状の電極を作るのが困難で、試作をくり返し行った。 今後臨床試験を行うにあたり、患者への侵襲を如何に低侵襲にするかが重要である。この観点から、皮膚熱傷及び疼痛刺激を生じない電気条件を設定する必要があった。健常人の手指PIP関節及びMCP関節に様々な条件で電気穿孔法を行い、皮膚熱傷及び疼痛刺激の有無を確認した。具体的には、通電時間と電圧、パルス回数を変更し、条件設定を行ったが、この条件がMTXの細胞内移行率を上昇させる設定であるかに関しては今後の検討を要する。また、通電効率を良くするため、電極と皮膚との間に用いるジェルを決定するため、数種類のジェルの選定(堅さ、量)を行った。 一方、臨床試験を行うにあたり、本臨床試験の計画をUMINに登録した(登録番号UMIN000016606)。また、侵襲を伴う介入試験と位置付けられる臨床試験であることから、当院倫理委員会に第1相~第3相試験の臨床試験計画を提出している。現在承認待ちの状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理委員会での承認を得るために、数回にわたり臨床計画の修正・見直しを余儀なくされ、予想以上に時間を費やした。研究計画全体から考えると進達度はやや遅れている状態である。また、侵襲を伴う介入試験であることから、倫理委員会の承認が得られた後、臨床試験保険の契約を締結する予定である。これらがクリアーされれば、速やかに臨床研究を開始する。進達度はやや遅れているものの、計画自体に問題が発生しているわけではないので、試験計画自体の変更は考えていない。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会にて臨床研究計画が承認されれば、速やかに臨床試験を施行する予定である。具体的には第1相試験で健常人3人6関節(手指PIP関節、MCP関節各3関節)に対して電気穿孔法を行い、安全性を検証する。次に第2相試験でMTXの用量・電気穿孔法の条件設定を関節リウマチ患者の12関節(手指PIP関節、MCP関節各6関節)にて検討を行う。第1、2相試験の結果を踏まえ、第3相試験を関節リウマチ患者の60関節(手指PIP関節、MCP関節各30関節)で施行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当大学倫理委員会に本研究がまだ承認されておらず、臨床研究が開始されていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
電極購入費用及び試薬購入費用。また、臨床試験を行うにあたって、臨床試験用の保険費に使用する計画である。
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