研究課題
本研究は、胃切除による大腸などの各消化管でのマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析を行い、さらにIngenuity Pathway Analysis (IPA) を用いて、ネットワーク解析およびパスウェイ解析といったバイオインフォマティックスの手法をもとにデーターマインニングを行い慢性炎症のネットワークを解析し、また並行して先行研究で明らかにした胃切除により血清蛋白質量の変化が生じる20種類のタンパク質の役割を骨組織サンプルより免疫組織化学の手法を用いて解析を行うことにより胃切除による胃-腸-骨連関の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。前年度は胃摘出ラットを作製し各消化管および大腿骨における遺伝子発現解析をマイクロアレイを用いて行い、胃切除により発現変化が生じる遺伝子群の抽出に成功した。また、胃や腸から骨への血流を介したパスウェイを考慮したとき、経由臓器である肝臓における胃切除の影響を解析することが重要である。このため組織学的に入念な解析を行ったところ、脂肪肝の所見を見出すことができた。本年度は、胃切除ラットにおける消化管での遺伝子発現変化との関与が期待される生物学的機能やシグナルパスウェイについてパスウェイ解析を行った。十二指腸ー小腸では脂質代謝に変化が生じている可能性を見出し、結腸ー直腸では免疫機能に変化が生じている可能性を見出した。さらにパスウェイ解析結果を基に組織学的な解析を行ったところ、直腸の特定部位でリンパ球の著明な浸潤を認めた
2: おおむね順調に進展している
パスウェイ解析の結果を反映した組織学的な変化を同定できた。
肝臓においても組織学的な変化を認めたためこの変化が骨代謝に影響を与えている可能性が考えられるため肝臓における解析を進める。
組織学的解析が予定より安価に行うことができたため。
肝臓・骨における組織学的解析に用いる。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Int J Cancer.
巻: . ページ: .
10.1002/ijc.30145
J Gastroenterol.
巻: 51 ページ: 177-194
10.1007/s00535-016-1166-4