研究課題
平成28年度は、前年度までの結果により得られた至適条件下に分離滑膜細胞播種したフィブロインスポンジと軟骨片を含む移植用インプラントを作製し、ヌードマウス(Athymic mice, nu/nu)の皮下に移植する実験を行いました。実験群は、フィブロインスポンジのみの群、滑膜細胞播種群、滑膜細胞播種および細切軟骨片含有群、滑膜細胞播種およびfreeze & sawを行った細切軟骨片を含有群の4群とし、移植後4週、8週で摘出し、前年度までと同様に組織学的、生化学的評価を行いました。組織学的検討:得られた滑膜細胞層を中性ホルマリンにて固定後、HE、アルシャンブルー、サフラニン-O による染色と、S100蛋白およびII型コラーゲンに対する免疫染色により、軟骨分化を評価しました。滑膜細胞播種群と滑膜細胞播種およびfreeze & sawを行った細切軟骨片を含有群では、フィブロインに播種された滑膜細胞はHE染色のみで染色され、アルシャンブルー染色、サフラニン-O 染色、S100蛋白およびII型コラーゲンに対する免疫染色では染色されませんでしたが、滑膜細胞播種および細切軟骨片含有群では、移植後8週でこれらの染色で陽性に染まる部位が認められました。またこれらの細胞は蛍光顕微鏡による観察で、PKH26で標識された滑膜細胞であることが示されました。生化学的検討:滑膜細胞層をpapainにて酵素処理後、DNA量(ヘキストダイによる定量)、プロテオグリカン含有量(DMMB法)を測定し、さらに組織よりRNAを抽出し、real-time RT-PCR法によるI, II 型コラーゲン、アグリカン、Sox9の遺伝子発現定量を行いました。滑膜細胞播種および細切軟骨片含有群では他群と比較して、プロテオグリカン含有量明らかな増加は認められませんでしたが、アグリカン、Sox9の発現量ならびに、II型/I型コラーゲン発現比の増加を認めました。
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