研究課題/領域番号 |
26462328
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
長崎 剛 秋田大学, 医学部, 助教 (60292380)
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研究分担者 |
安部 恭子 秋田大学, 医学部, 助教 (30311575)
西川 俊昭 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50156048)
佐藤 浩司 秋田大学, 医学部, 助教 (80333938)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 水素ガス / ラット / 一過性前脳虚血モデル / 虚血性脳傷害 |
研究実績の概要 |
虚血性脳傷害における脳低温療法単独と脳低温療法に水素ガス吸入を併用させた場合の治療効果を組織学的に比較した。【方法】雄性SDラット12匹を、脳低温群(H群)と脳低温+水素ガス群(H+H2群)の2群とした(各群n=6)。セボフルラン麻酔導入後、気管挿管と人工呼吸を行い、カテーテルを大腿動脈と頚静脈に留置した。脱血による低血圧(平均血圧40 mmHg)と両側総頚動脈閉塞により前脳虚血状態とし、10分後に総頚動脈閉塞解除と返血により再灌流を行った。両群で虚血再灌流中の吸入セボフルラン濃度を2.5%、吸入酸素濃度を30%とした。体温調節は両群で側頭温を虚血前36℃、虚血中34℃、虚血後37.5℃に維持した。H+H2群では虚血15分前より1.3%水素ガス投与を開始し、再灌流1時間後まで継続した。両群とも再灌流1時間後に覚醒させ、気管チューブを抜去し、実験7日後に脳の灌流固定を行った。さらにH-E染色による標本作製を行い、海馬CA1領域の光学顕微鏡観察(400倍)により傷害の程度をスコア化した(1: 傷害なし、2: 正常錐体細胞≧80%、3: 80%>正常錐体細胞≧50%、4: 50%>正常錐体細胞≧20%、5: 20%>正常錐体細胞、6:正常錐体細胞なし)。統計解析はMann-Whitney U検定で行った。【結果】傷害スコアの中央値(四分位範囲)はH群3.5(3)、H+H2群2.5(2)であった(p=0.68)。【結論】ラット一過性前脳虚血モデルにおいて脳低温療法に1.3%水素ガス吸入を併用させると脳低温療法単独に比べ海馬CA1領域の脳傷害を軽減しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の予期せぬ実験機器故障により、全体の進捗状況としてやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
脳低温療法と水素ガスの併用効果を確認する。特に脳低温療法については複数の脳温を段階的に設定し、水素ガスとの併用効果を検証する予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
水素ガスボンベ等消耗品の購入が当初の予定より少なかったため
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次年度使用額の使用計画 |
実験計画を遂行するための消耗品等を購入する予定である。
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