ラット一過性前脳虚血モデル(スミスモデル)を用い、1.3%水素ガス吸入と脳低温療法による脳保護効果を検討した。コントロール群(C群)、水素ガス群(G群)、脳低温療法群(H群)、水素ガス+脳低温療法群(GH群)に分け、脳低温群は虚血中に34℃まで冷却した。水素ガス吸入は再灌流60分後まで行った。実験7日後の海馬CA1領域の組織学的傷害をスコア化(6段階[1:傷害なし~6:重傷])したところ、中央値(四分位範囲)でC群5(0)、G群4.5(2)、H群3.5(1)、GH群2.5(2)であった。したがって、水素ガス吸入と脳低温療法を併用すると、各々単独に比べて脳保護効果が増強される傾向が認められた。
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