研究課題/領域番号 |
26462333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
廣田 弘毅 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (30218854)
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研究協力者 |
佐々木 利佳 富山大学
Roth Sheldon H. University of Calgary
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 扁桃体 / 海馬 / シナプス伝達 / 全身麻酔薬 / 静脈麻酔薬 |
研究成果の概要 |
統合失調症の発症機序として、海馬/扁桃体の連携不全が示唆されている。今回我々は、統合失調症モデルラット(Maekawa M, et al. PLoS ONE 2009; 4:e5085)から摘出した海馬/扁桃体スライス標本を用い、統合失調症による全身麻酔作用修飾機序を検討した。ラットを麻酔した後、脳を摘出し海馬/扁桃体スライスを作製した。GABAリクルートメント(廣田弘毅、佐々木利佳他.臨床麻酔 2013; 37:603)を解析した結果、統合失調症ではシナプス伝達の過剰興奮をきたし,静脈麻酔覚醒後の興奮やせん妄に関与する可能性が示唆された.
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自由記述の分野 |
麻酔科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神疾患が全身麻酔薬作用に及ぼす影響に関する基礎的知見は乏しく,臨床における精神疾患症例の麻酔において,麻酔科医は限られた臨床経験をもとに手探りで麻酔管理を施行しているのが現状である.統合失調症の発症原因は不明であるが,最新の知見によると扁桃体/海馬などの感情回路の発達障害がその誘因の1つと考えられている(発達障害仮説). 今回我々は,統合失調症モデルラットの扁桃体/海馬標本における全身麻酔薬の作用を検討した結果,抑制性伝達物質GABAの放出/再取り込みが障害されていることが明らかとなった.この知見は,今後臨床における統合失調症患者の麻酔管理に有用なエビデンスになると考えられる.
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