研究課題/領域番号 |
26462334
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田辺 久美子 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30402209)
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研究分担者 |
小澤 修 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90225417)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | interleukin-1β / interleukin-6 / cAMP / STAT3 / グリア細胞 |
研究実績の概要 |
IL-6は中枢神経系において炎症疾患のみならず他の急性・慢性疾患において重要な役割を果たしていることが知られている。我々はこれまでに培養グリア細胞を用いてIL-1βがIκB/NFκB経路、p38 MAP kinase、SAPK/JNK、STAT3の活性化を介してIL-6の産生・遊離を促進することを明らかにした。また、cAMPがIL-1βによるIL-6の産生・遊離を更に増強させることも報告してきたが、その機序の詳細は明らかではなかったため、今回、その機序を検討した。 その結果、1. 8-bromo-cAMPはIL-1βによるSTAT3のリン酸化を増強したがIκB、p38 MAP kinase、SAPK/JNKのリン酸化には影響を及ぼさなかった。2. JAK inhibitor Iは8-bromo-cAMPによるIL-1βのIL-6の遊離増強を抑制した。3. adenylyl cyclaseの活性化物質であるforskolinはIL-1βによるSTAT3のリン酸化を増強した。4. PKAの阻害剤である4-cyano-3-methylisoquinolineは8-bromo-cAMPによるIL-1βのSTAT3のリン酸化増強を抑制した。 以上より、adenylyl cyclase/cAMP経路はIL-1βによるSTAT3のリン酸化を増強することにより、IL-1βによるIL-6の産生・遊離を更に増加させると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
結果が出そろったので、公表準備をしている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで実験にグリオーマ細胞株を用いていた。より生体に近い条件にするため初代培養系あるいはグリア細胞株に変更し、炎症性サイトカイン、神経栄養因子の産生・遊離に関わる細胞内情報伝達系を明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験自体は平成26年末までに終わり、現在、結果まとめている途中であるため、平成27年に入ってからは行っていない。また、所属部署の主催する学会があり、実験自体を行う時間がない。そのため、平成27年に入ってからは研究費はあまり必要としなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
学会が終われば実験は再開するので、次年度使用する。結果がまとまれば投稿するため、論文掲載費用も必要。
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