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2014 年度 実施状況報告書

敗血症の進展における凝固・線溶系と炎症反応のクロストークの分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 26462335
研究機関岐阜大学

研究代表者

赤松 繁  岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (20167828)

研究分担者 小澤 修  岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90225417)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード血小板 / 凝固系 / 線溶系 / thromboxane A2 / Rac / soluble CD40 ligand / PDGF-AB
研究実績の概要

生体は手術、外傷、ショックなどの侵襲を受けると様々なストレス反応を示すことが知られている。過大な侵害刺激を受けると、容易に全身性炎症反応症候群 (systemic inflammatory response syndrome; SIRS) が惹起される。そして SIRS から周術期心筋虚血や敗血症,多臓器不全に陥ることが知られている。一方、ストレス蛋白質(heat shock protein;HSP)は生体において生体防御という極めて重要な役割を担っていることは良く知られている。種々の外的環境の変化に対する生体反応をストレス応答と呼んでおり、環境の変化に対し生体は迅速に反応する。ストレス蛋白質は、熱や化学物質などのストレスにより組織・細胞内に誘導される一群のタンパク質の総称である。ストレス蛋白質が誘導された組織・細胞は、再度のストレス負荷に対して耐性を獲得する。循環虚脱を招くことのある過大な侵襲に対して、生体は心血管系、血液凝固系におけるストレス反応を起こすがその詳細は明らかではない。私共は既に、血小板の粘着反応を促進するリストセチンが強力な血小板凝集促進作用を示すthromboxane A2の産生を介し、細胞増殖因子であるPDGF-ABの分泌および炎症惹起物質の一つであるsoluble CD40 ligandの遊離を促進することを明らかとしている。今回、thromboxane A2刺激による血小板活性化における低分子量GTP結合蛋白質の一つであるRacの関与を検討した。その結果、血小板においてRacはp38 MAPキナーゼの上流で機能し、そのthromboxane A2による血小板凝集反応において促進的役割をすることおよび、thromboxane A2によるPDGF-ABの分泌およびsoluble CD40 ligandの遊離を促進していることを明らかとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

凝固・線溶系の中心的役割を担う血小板においてRacはthromboxane A2刺激においてp38 MAPキナーゼの上流で機能し、thromboxane A2による血小板凝集を促進することおよび、thromboxane A2によるPDGF-ABの分泌およびsoluble CD40 ligandの遊離を促進していることを明らかとすることが出来た。低分子量GTP結合蛋白質のRacを制御することにより、抗凝固作用および抗炎症作用が期待され、敗血症、DIC治療の新たな標的となりうる可能性を示唆することが出来た。

今後の研究の推進方策

アンチトロンビンをはじめとする敗血症治療薬の血小板における作用機序の詳細を検討し、その抗凝固作用および抗炎症作用の分子機序を明らかとする。

次年度使用額が生じた理由

実験モデルによる研究を継続する必要がある。

次年度使用額の使用計画

費用は、血小板実験に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of Rac in thromboxane A2-induced human platelet activation: regulation of sCD40 ligand release and PDGF-AB secretion.2014

    • 著者名/発表者名
      Kageyama Y, Doi T, Matsushima-Nishiwaki R, Iida Y, Akamatsu S, Kondo A, Kuroyanagi G, Yamamoto N, Mizutani J, Otsuka T, Tokuda H, Iida H, Kozawa O, Ogura S.
    • 雑誌名

      Mol. Med. Rep.

      巻: 10 ページ: 107-112

    • DOI

      10.3892/mmr.2014.2143.

    • 査読あり
  • [学会発表] 血小板機能におけるRacの役割:抗炎症作用の分子機序解析2014

    • 著者名/発表者名
      土井智章、陰山康成、小澤 修、小倉真治
    • 学会等名
      第29回日本Shock学会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      2014-05-17

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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