研究成果の概要 |
ビタミンE誘導体(ETSGS, EPCK1)の虚血再灌流傷害に対する脳保護作用は従来から知られている。ラット脳スライス標本のエネルギー状態の変化を,リンを観測核とする核磁気共鳴法によって経時的・即時的に観察し,虚血再灌流傷害後のエネルギー状態の回復がビタミンE誘導体添加により有意に良好であることを示した。また,電子スピン共鳴法によってビタミンE誘導体の直接的フリーラジカル消去能の評価を行い,ヒドロキシルラジカルやスーパーオキサイドアニオン,一酸化窒素など複数のフリーラジカル種に対して有意な消去能をもつことを明らかにした。ビタミンE誘導体の脳保護作用はフリーラジカル消去能に因ることが示唆された。
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