我々は、小胞型GABA/Glycineトランスポター(VGAT)低下によるセボフルランの鎮痛・鎮静作用への影響を調べた。立ち直り反射消失(LORR)、尾ピンチ反応消失(LTWR)、後肢ピンチ反応消失(LHWR)の濃度を、野生型(WT)とVGATヘテロ(12-16週)で比較した。LORR、LTWR、LHWRいずれも両群差はなかった。VGATの発現低下(約50%)は、セボフルランの鎮静・鎮痛効果に影響がなかった。この結果は、VGAT低下で小胞内への抑制伝達物質取り込みが減少した状態でもセボフルランによる抑制系賦活は、シナプス後膜の受容体への作用によって可能であることを示唆する。
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