我々は、脳内トランスポーターのひとつであるP-glycoprotein(P-gp) は薬剤の脳内浸透を調節するだけでなく、その存在自体が脳虚血のダメージに影響することを突き止めた。さらに我々の研究において、脳虚血にてP-gpの存在がサイトカインやアポトーシス関連物質に対して影響を及ぼしていることを確認している。またP-gpの作用を阻害する物質と脳保護剤の併用投与が脳保護作用を強化する傾向も認めている。本プロジェクトでは、脳虚血におけるP-gpの作用を背景として、脳保護剤の作用を発揮させるためのP-gp阻害剤の活用法を探った。
|