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2016 年度 実績報告書

間葉系幹細胞を用いたショックへの新しい治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 26462351
研究機関金沢大学

研究代表者

谷口 巧  金沢大学, 医学系, 教授 (30301196)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードショック / 間葉系幹細胞 / 敗血症
研究実績の概要

麻酔・集中治療医学領域において、敗血症および出血によるショック状態に陥り、治療に困窮する場合が少なくない。現在、いろいろな治療法が試みられているが依然として確固たる治療法は見いだせていない。本研究は、骨髄間葉系幹細胞を用いてショックに対する新しい治療法を開発することを目的としている。
今年度の達成度
●敗血症性ショックモデルにおける骨髄間葉系幹細胞移植の有用性の検討
方法としては、まず、ラットの大腿骨2本から採取した骨髄を生理的食塩水で撹拌し、特殊なデバイスを用いて骨髄間葉系幹細胞を分離、精製した。次に、別のラットを用いて盲腸穿孔させることにより敗血症ショックモデルを作成し、作成後直ちに分離した幹細胞と上清を混合させたものを静脈内投与した。幹細胞を投与した群を投与群(20匹)とし、投与しなかった群を対照群(20匹)とし、両群間を比較検討した。評価項目は投与後7日間のラットの生存率と各主要臓器の組織学的評価、血液生化学検査とした。結果として、投与群の生存率は対照群と比較して、投与群で有意に生存率は改善した。組織学的評価に関しては、死亡した際に採取した臓器ばかりであり、両群とも評価できない臓器ばかりであった。また、血液検査も時間的評価ができず、両群間の比較検討はできなかった。考察として、今回の検討で骨髄間葉系幹細胞移植が敗血症性ショックモデルにおいて生存率を有意に上昇させることが判明したが、その機序に関しては不明であった。また、幹細胞そのものに有用性があるのか、液性成分に有用性があるのかを検討することもできなかった。今後、症例数を増やし、機序、他の臓器への影響に関してさらなる検討を行いたい。結語として、骨髄間葉系幹細胞移植が敗血症性ショックモデルにおいて生存率を有意に改善することが判明した。しかしながらその機序は不明であり、今後の検討課題となった。

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公開日: 2018-01-16  

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