研究課題
近年の分子生物学や分子発生学などの生命科学の進歩により、組織の発生が解明されるようになり、障害された臓器の再生が実現可能になりつつある。とりわけ血管新生は、再生医学の分野で大きな進歩を遂げ、臨床応用の段階に至った再生医療の一つである。本研究の目的は、再生医療における血管新生が周術期の血管プレコンディショニング(低酸素プレコンディショニングとリモートプレコンディショニング)に影響されるかどうかを基礎研究(in vitro & in vivo)と臨床研究を組み合わせ、様々な角度から検討することである。本年度は臨床研究を継続すると共に、in vivo 実験を行った。ラット虚血(全身・上肢または下肢)モデルを作成し、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の変化を観察した。オスのWister系ラット(250-300 g)を吸入麻酔薬(セボフルラン)により麻酔導入・維持し、気管切開、人工呼吸管理下に大腿動静脈よりカニュレーションし、輸液ルート、動脈圧測定・採血用とした。コントロール群は通常の酸素投与下に正常酸素分圧(PaO2 80 mmHg以上)を12時間維持した。低酸素群は血行動態を記録しながら全身性の低酸素負荷(PaO2 50mmHg以下)または上肢・下肢60分の血流遮断を行い、12時間麻酔維持した。2時間毎に採血し、VEGF enzyme-linked immunosorbent assay kitを用いマイクロプレートリーダーでVEGFを測定した。現在、in vivo 実験の最終段階施行と結果のまとめ、研究総括を行っている。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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