研究課題/領域番号 |
26462364
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西岡 健治 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (70380904)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 気道リモデリング / 麻酔薬 |
研究実績の概要 |
近年の喘息患者の増加は広く知られており、治療戦略の一つとして不可逆的な気道リモデリングを防ぐことが掲げられている。これまで我々は主にラットの喘息モデルを用いて、臨床麻酔に用いられるいくつかの薬剤が気管平滑筋のアレルギー性収縮を抑制することを示してきた。しかし、その効果は一時的であり、薬剤投与中止後の影響も未だ明らかではない。近年、気管支収縮時の機械的な収縮が炎症と独立してリモデリングを誘発することが、動物実験のみならずヒトにおいても確認された。これを踏まえ、気管平滑筋弛緩作用の強い麻酔薬でも、長期予後を改善するような気道リモデリングの抑制効果があるという仮説の下、研究を進めてきた。オブアルブミンの腹腔内投与と引き続く点鼻投与により喘息モデルラットを作成し、抗原や気道平滑筋の収縮薬を投与したときの収縮の強さや病理組織標本での気道のリモデリングの程度を抗原感作時にセボフルラン投与した群と非投与群で比較した。セボフルランの投与により、リモデリングがおこった病理組織像に見られる炎症性変化や上皮における杯細胞の増加、ならびに平滑筋の肥厚が抑制された。しかし、低濃度のセボフルランでは残念ながらはっきりした効果は得られていない。臨床麻酔で用いられる他の麻酔薬でも検討中である。この結果は、実験的には非常に興味深い現象であるが、実際の臨床麻酔中に起きる喘息発作は抗原誘発性のものは少ないため、この様に抗原感作中に麻酔で用いるような高濃度のセボフルランやその他の麻酔薬が投与されている状況は考えにくい。そのため、研究の方向性としては臨床に即した形に立ち戻って検討を重ねていく予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
セボフルランによる気道リモデリング抑制効果が当初の想定より弱く、また評価に想定外に時間がかかった。これを受けて、効率的に評価する方法を含め、再度研究の方向性を修正・検討中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織の検討など時間のかかる評価については積極的に外部に依頼する。研究の方向性も、より臨床に即した形に修正して,気道リモデリングがおこった気管平滑筋の定性実験を中心に行い、検討する薬剤も絞り込んでいくなど効率の良い研究に修正していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が当初の予定より時間がかかり遅れている。このため研究者の研究時間の効率化の目的で外注による標本作製などを増やす必要があり、その点で必要な経費が流動的であるため、本年度は買い換え予定であった老朽化した装置(8chパワーラブ・PL3508/C)の購入を見合わせ、旧設備のまま実験を行ったため
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次年度使用額の使用計画 |
実験のうち時間のかかる病理組織標本の作製・検討の一部を外注とする。耐用年数を超えた実験機材の購入は可能な限り必要に応じての買い換えとして、必要額の流動性に対応する。
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