研究課題/領域番号 |
26462368
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
倉橋 清泰 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (50234539)
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研究分担者 |
矢澤 卓也 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50251054)
馬場 靖子 横浜市立大学, 大学病院, 講師 (80453041)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 虚血 / 低酸素 |
研究実績の概要 |
虚血再灌流障害を短時間の先行する虚血が防止すること(プレコンディショニング)が知られている。近年、当該臓器以外の臓器/組織の先行虚血でも虚血再灌流障害が防げるとの知見が得られて来ており、何らかの液性因子が関与している事が示唆される。しかしながら、現在までにそのような分子の同定はされていない。我々は低酸素適応を司る転写因子であるhypoxia-inducible factor (HIF)-1に着目し、これがこの責任分子のひとつであると推測した。本研究では、研究代表者らが最も多くの知見を有する肺組織/肺上皮細胞の虚血再灌流/低酸素モデルを用いて、プレコンディショニングのメカニズムを探求する。 HIF-1の活性のメカニズムを解明するために、まずin vitroで肺胞上皮細胞のcell lineであるMLE-15を用いて低酸素刺激の影響を調べた。21%酸素環境に比べて、5%酸素環境で培養した際に、HIF-1の下流遺伝子(glucose transporter (GLUT)-1、vascular endothelial growth factor (VEGF)-A)の蛋白を培養上清中で定量したところ、有意に増加した。さらに、MLE-15において、HIF-1αをknock downした細胞を用いて5%酸素環境で培養すると、non-targetのsiRNAで処理した細胞に比べて有意にケモカインの産生が増加し、HIF-1が低酸素環境において抗炎症作用を持つ事が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HIF-1をknock downする条件検討に時間がかかり、in vivoの研究に移行できなかった。次年度で直ちにとりかかる。
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今後の研究の推進方策 |
ラットの後肢結紮によるプレコンディショニングの影響を、片側肺の虚血再灌流(肺門部結紮)における肺障害の影響から評価する。更に、HIF-1αをknock downしたラットにおいて同様の処置を行い、その結果を比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究推進に若干の遅れが生じ、in vivoの実験が進まなかったことにより余剰が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にin vivo実験をスライドさせたため、本年度余剰金は次年度に繰り越して使用する。
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