近年、血液凝固管理指標としてポイントオブケア(POC)の有用性が多く報告されている。今回我々はPOCの有無で同種血輸血回避ができるか前向き研究を行った。人工心肺を用いる心臓手術患者60名をPOC不使用(対照群)とPOC群の2群に分けた。採血ポイントは1.入室、2.人工心肺開始時3.離脱時、4.手術終了時の4ポイントで行った。従属変数は同種血輸血の有無で、独立変数はPOC有無、血算、年齢とし、多重ロジスティック回帰分析を行った。結果、有意差が見られたのは入室時の血小板数、人工心肺開始時のヘモグロビン値、年齢のみだった。今回、POCは輸血削減に関与しないことが分かった。
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