難治性慢性疼痛患者を対象にVBM(Voxel-based morphometry)を施行し、全脳110か所で灰白質体積を測定した。慢性疼痛患者92人で、健常人22人とROI委縮率の比較、回帰分析では、扁桃体が、すべての脳部位の中で、一番顕著に委縮が認められた。左扁桃体が、有意に委縮していた。破局化思考のPCS尺度と左側扁桃体灰白質体積減少度の相関が認められた。 扁桃体の委縮を認めた3 人に対し治療4ヵ月後に再度VBMを施行したところ,全員で委縮は治療により正常化することが示された。慢性疼痛患者では、不快情動の処理に関与する扁桃体の機能低下が、痛み行動として発現していると推察された。
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