研究課題/領域番号 |
26462383
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長谷川 麻衣子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20516637)
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研究分担者 |
桑木 共之 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80205260)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | TRPA1 / 術後痛 / 炎症 / 創傷治癒 |
研究実績の概要 |
TRPA1欠損マウスを用いて、Brennan法による術後痛モデルを作製し、疼痛行動を評価した。また本年度は炎症急性期におけるTRPA1の役割とそのメカニズムについて検討した。熱刺激に対する疼痛閾値は術前から術後14日目まで、TRPA1欠損マウスで有意に上昇していたが、機械的刺激に対する閾値は野生型マウスと比較して差を認めなかった。TRPA1欠損マウスでは術前のCOX-2 mRNAの発現量が低かったため、疼痛閾値の差に影響したのではないかと考える。COX-2の発現細胞に関しては皮膚切開を加えていないTRPA1マウスにおいて、炎症細胞の浸潤は認めなかったため、免疫細胞以外からの発現の増加が予想されるが、今後の検討が必要である。また皮膚切開1日後のIL-1beta発現量がTRPA1欠損マウスで低かったため好中球の浸潤をGr-1/DAPI染色で評価したところ、TRPA1欠損マウスにおいて有意に好中球浸潤が減少していた。TRPA1は炎症のイニシエーターとして様々な物質により活性化するが、炎症初期から炎症反応を抑制することがわかった。初期炎症を抑制することにより、炎症後期の免疫反応や創傷治癒、疼痛閾値にどのような影響を及ぼすのか、今後検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画どおりの進達状況であり、また急性期におけるTRPA1の意義と術後痛や炎症の抑制のメカニズムを明らかにできたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は炎症から創傷治癒に移行する際の、組織の炎症をマクロファージなどlate phaseで浸潤する免疫細胞に焦点をあて、また組織学的に創傷治癒の評価をする予定である。TRPA1は酸素分圧依存性に活性化されることが報告されており、術中酸素分圧の創傷治癒への影響について検討を試みたが、手術時間が短く、また低酸素誘導因子などの発現にも差が認められなかった。今後late phaseにおける組織酸素分圧の差も検討し、創傷治癒との関連について考察したいと考えている。
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