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2016 年度 実施状況報告書

アロマターゼとGPR30による疼痛制御に基づいた新規疼痛治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462387
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

白石 成二  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (90216177)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード神経障害性疼痛 / アロマターゼ / GPR30 / ミクログリア
研究実績の概要

実験1.各種疼痛モデル動物を作製しGPR30の阻害剤とsiRNAやアロマターゼ阻害薬による疼痛への影響を検討する
アロマターゼ阻害薬(exemestane とletrozole)と特異的GPR30 拮抗薬(G15)を投与して神経障害性疼痛とがん性疼痛モデル動物に対する疼痛増強の機序を検討した。
実験2.難治性疼痛の発症と維持におけるGPR30 およびアロマターゼの関与を検討する
神経障害性疼痛モデルと癌骨転移痛モデルを用いてGPR30 siRNAにて鎮痛効果を確認し、脊髄レベルでのGPR30の変化について検討した。神経障害性疼痛など難治性疼痛の発症に関係深い脊髄レベルのミクログリアをGPR30とアロマターゼ阻害薬が活性化することを新たに発見した。
実験4.アロマターゼ阻害薬投与による疼痛閾値の変動のメカニズム解明と疼痛緩和薬の開発
閉経後モデルとして卵巣を摘出した動物にアロマターゼ阻害薬を投与した時のマウスを用いて疼痛閾値の変化を調べ、アロマターゼ阻害薬とGPR30阻害薬の効果を検討した。ミクログリアの活性化が関係していることから、アロマターゼ阻害薬によるミクログリアの活性化を抑制を指標にした疼痛緩和薬の開発に着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

神経障害性疼痛モデルと癌骨転移痛モデルを用いてGPR30 siRNAにて鎮痛効果を確認し、GPR30とアロマターゼ阻害薬による脊髄レベルでの疼痛発症に関係するミクログリアを活性化することを新たに発見した。このミクログリア活性化のメカニズムを明らかにすれば、アロマターゼやGPR30と疼痛との関係を明らかにできるため、このことについて検討を開始した。
アロマターゼ阻害薬投与による疼痛閾値の変動のメカニズム解明と疼痛緩和薬の開発については、閉経後モデルとして卵巣を摘出したマウスにアロマターゼ阻害薬を投与した時の疼痛閾値の変化を調べ、アロマターゼ阻害薬とGPR30阻害薬の疼痛への影響を検討し、その疼痛緩和作用について検討を開始した。ただ、閉経後モデルを作成してから検討する時期について設定するのに時間を要した。
平成28年度に国立がん研究センターから国立国際医療研究センター国府台病院へ転勤となり、研究環境や研究機器について整備するのに時間を必要とした。このため研究期間を1年延長した。

今後の研究の推進方策

GPR30とアロマターゼ阻害薬による脊髄レベルでの疼痛発症に関係深いミクログリアを活性化することを新たに発見した。このミクログリア活性化のメカニズムを明らかにするためアロマターゼやGPR30と疼痛との関係について検討を行っている。
アロマターゼ阻害薬投与による疼痛閾値の低下を確認し、その疼痛を緩和する薬剤の開発を着手している。

次年度使用額が生じた理由

新たに発見したアロマターゼやGPR30とミクログリアの活性化の検討をする必要が生じたため。このミクログリアの活性化を抑制し、新たなメカニズムによる鎮痛薬の開発を行うため。

次年度使用額の使用計画

ミクログリアの活性化の検討のために疼痛モデル動物の脊髄切片を作成し免疫染色にて変化を検討を開始している。アロマターゼによるミクログリアの活性化を指標にした新たな鎮痛薬の開発を行う。

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公開日: 2018-01-16  

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