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2015 年度 実施状況報告書

泌尿器科癌におけるZFHX3/ATBF1の機能解析と分子標的治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26462396
研究機関新潟大学

研究代表者

冨田 善彦  新潟大学, 医歯学系, 教授 (90237123)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード腎細胞癌 / ZFHX3/ATBF1 / PIAS3 / interluekine-6 / stat-3
研究実績の概要

ZFHX3/ATBF1は最初にαフェトプロテイン(AFP)遺伝子の発現を抑制する巨大分子として同定された。その生理的機能は主に細胞を分化させることであり、その機能の低下は細胞自体の脱分化につながると考えられる。これまでの研究でZFHX3/ATBF1の減弱は腎細胞癌の悪性度獲得に深く関与していることが明らかになった。本年度は培養細胞株を用いて、その機能的側面の検討を行った。4つの作業仮説、すなわち1.酸化ストレス下での血小板由来成長因子受容体の転写を促進する、2.P53と複合体を形成しP21の転写促進する。3.転写因子v-Mybと結合しその活性を抑制する、4.Protein inhibitor of activated STAT-3(PIAS3)と結合し、STAT-3の転写活性を抑制する、のいずれが腎細胞癌で機能しているのかを検討した。この結果、1-3の仮説を示唆する結果は得られなかったが、4.のIL-6、PIAS3、STAT-3の系が関係する可能性が高いため、引き続く研究を行った。これまでの報告から、IL-6高産生の腎細胞癌は予後が不良であることが知られているが、検討した細胞株中A704が高産生、Caki-2が低産生のため、この2株で以降の研究を行った。ZFHX3/ATBF1はA704 で低発現、Caki-2で高発現であり、その下流のSTAT-3リン酸化はA704 で高発現であった。このことから、腎細胞癌においては、ZFHX3/ATBF1がIL-6のシグナル伝達の阻害を介して細胞増殖を抑制していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、予想された、単純な関係でなく、腎細胞癌で重要な増殖因子の一つであるIL-6との関係が強く示唆された。

今後の研究の推進方策

今後は、ZFHX3/ATBF1を何らかの形で再活性化し、腎癌細胞の増殖抑制を図る方向で進めていく。

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公開日: 2017-01-06  

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