研究課題/領域番号 |
26462402
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久米 春喜 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10272577)
|
研究分担者 |
永田 政義 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (00323668)
山田 大介 東京大学, 医学部附属病院, その他 (00623696)
中川 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40591730)
東 剛司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50719854)
川合 剛人 東京大学, 医学部附属病院, その他 (60343133)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 腎細胞癌 / クロマチン異常 |
研究実績の概要 |
【はじめに】クロマチン修飾関連遺伝子と予後の関連を見るため、これまでに行った網羅的ゲノム解析の結果についてサブ解析を行った。【対象】報告した240例のうちコピー数解析、全エキソンシークエンス、mRNA発現解析、メチレーション解析すべてが揃っていた症例は35例あった。男/女 28/7名、年齢中央値 65歳、腫瘍径中央値 3.0㎝であった。このうち5例で経過中に転移が出現した(観察期間中央値2157日)。【方法】検討項目は、臨床病理学的所見(年齢、性別、病理組織所見(腫瘍径、pT stage、Grade、脈管侵襲)、および以下に示す網羅的ゲノム解析の結果である。1. コピー数解析(Hyperploid、3p del、3p UPD、3pLOH、5q gain、7q gain、8q LOH、9p LOH、14q LOH)2. DNA遺伝子変異(VHL、TCEB1、PBRM1、BAP1、SETD2)、変異数(中央値45個未満か?)3. mRNA発現パターン ccA、ccB4. メチル化(高メチル化 vs 中+低メチル化)これらについて単変量解析を行い、p値が0.05以下であったものについて多変量解析を行った。【結果・考察】単変量解析では脈管侵襲、Grade、Hyperploid、14qLOHが有意な因子として挙げられたが、そのうち多変量解析ではHyperploidであることのみが唯一の危険因子として挙げられた。Hyperploid腫瘍はクロマチンが大きく変化した腫瘍であることから、クロマチンの変化が腎癌進展に重要であることを再確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腎癌以外の腫瘍でのクロマチン制御関連遺伝子の異常については今のところはっきりとした変異が見つからない状況。もう少し症例を増やすなどして、変化を見たいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
クロマチン制御関連遺伝子の異常が他の泌尿器腫瘍ではっきりしない場合は、クロマチン制御関連遺伝子の培養細胞への導入実験に進みたいと考えています。
|
次年度使用額が生じた理由 |
培養細胞研究が遅れたため、請求が遅くなっている。
|
次年度使用額の使用計画 |
8月までには培養細胞についての検討を行う予定。
|