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2016 年度 実績報告書

前立腺癌骨転移微小環境におけるCCL2を介した癌細胞増殖・浸潤機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26462405
研究機関金沢大学

研究代表者

成本 一隆  金沢大学, 附属病院, 助教 (50645207)

研究分担者 溝上 敦  金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二  金沢大学, 医学系, 特任助教 (80646787)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード前立腺癌 / 骨転移
研究実績の概要

これまでに、前立腺癌細胞の浸潤・転移能獲得過程においてはTGF-β1とCCL2が重要な役割を果たしている可能性を明らかにした。引き続いて前立腺癌骨転移微小環境でのTGF-β1とCCL2の役割を明らかにした。前立腺癌細胞にTGF-β1やCCL2を添加し、その分子細胞学的な変化を観察した。これらTGF-β1とSaOS2それぞれ前立腺癌細胞に加えると、CCL2の特異的受容体CCR2の発現が亢進し、両方同時に加えると相加的に発現が亢進した。これらの結果はCCL2とTGF-β1が協調してCCL2-CCR2シグナルを活性化していることを示している。
そこで、次にCCL2-CCR2シグナルの下流としてはたらく機構を明らかにした。前立腺癌細胞にTGF-β1とCCL2を加えた上、造骨性骨転移を想定し、ヒト骨芽細胞様細胞であるSaOS2と共培養を行ったところ、CCL17とCCL22の発現が亢進した。さらに、これらの受容体であるCCR4の発現も亢進した。前立腺癌細胞はCCL2の下流としてCCL17/22が存在することも明らかとなった。前立腺癌細胞株にはCCR4が相当量発現していることも明らかにした。このCCL17/22-CCR4シグナルは最終的にAktのリン酸化を誘導し、前立腺癌細胞の遊走能を亢進させることが明らかとなった。Aktのリン酸化を阻害することで、CCL2によって誘導された前立腺癌細胞の遊走能が阻害されることが明らかとなた。また、CCR4の発現が高い前立腺癌は病期が進行していることも明らかにした。非常に興味深いことにCCR2の発現とCCR4の発現には相関が認められ、前立腺癌の予後予測マーカーとなることが示された。

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公開日: 2018-01-16  

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