研究成果の概要 |
前立腺癌に対する抗アンドロゲン療法(ADT)が膀胱癌の再発を抑制することを報告した。前立腺癌20,328例のうち239例の膀胱癌合併症例を抽出し、条件を満たす162例についてnon-ADT群76例とADT群86例について検討した。5年無再発生存率はそれぞれ40%と76%であり、ADT群で有意に延長していた(p<0.001,HR=0.29)。さらに、ADT群におけるAR、ERα、ERβと再発の関係を検討したところ、AR陽性例で再発率が優位に低かった。一方、ERα、ERβの発現と再発との関連は認めなかった。これらのことは、ADTがARシグナルを介して膀胱癌の再発を抑制していることを示唆している。
|