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2014 年度 実施状況報告書

腹腔鏡手術操作における加える力と触覚の測定と定量化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462420
研究機関横浜市立大学

研究代表者

林 成彦  横浜市立大学, 医学部, 助教 (20567557)

研究分担者 槙山 和秀  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40347307)
緒方 正人  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (70501154)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードシミュレーション / 腹腔鏡手術 / ナビゲーション / 生体計測
研究実績の概要

腹腔鏡下手術における血管および対象臓器からの触覚感と加える力・操作の動きを計測し数値として定量化する手法を研究する。また、この数値を用いて、手術シミュレータでの模擬手術において触覚感を忠実に再現するとともに手術操作における限界値を危険警告としてシミュレータやナビゲーターに組み入れる手法の開発を行う。
高周波力センサと加速計などを複合小型化して術具と一体化した計測装置を改良して用い、豚で腹腔鏡下手術手順を実施して腎臓、血管、結合組織などからの物理情報と加える力の情報を収集する。これらのデータを情報処理することにより、手術中に医師が与えた力と、臓器が返す力を推定し、臓器の硬さを示すパラメータを抽出し、手術時の触覚感を忠実に再現する数理手法を開発する。また同じ実験により臓器の破断力の限界値を推定する。これらをわれわれが開発した手術シミュレータに実装して手術での再現性を検討する。
臓器の硬さ弾性は良く分かっていない。単一部位の計測でさえ、計測値が論文により3桁も異なっており(肝臓)混沌とした状態にある。また、生体は、単一臓器ではなく、臓器とこれらを保持する膜やリンパ組織および血管などによる複雑な複合構造を持つ。従ってこの複合した状態での計測が理想である。しかし、人体を複合構造と見て操作力および反力を測り、触覚や限界値を数値化した事例は世界に無く、研究はこれらにチャレンジする独創的なものである。計測による数値化ができれば、力学モデルと生体での挙動の差異がどの程度かが、初めて明らかになる。
また、触覚感が忠実に再現できると、血管や臓器に損傷を与える力の臨界値も推測できるようになり、モニタ画面に警告を出したり、操作をロックしたりするなど術者に注意を促すような危険予知機能を持つ手術補助ロボットや手術ナビゲーターへの応用につながるのもことが特色である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計測装置の製作: 高周波力センサを小型化し、加速度センサおよびマーカと複合させたものを手術用鉗子に組み込むことに成功した。採取したデータは力センサ、加速度計およびその画像上の動き情報から、移動速度と術者が対象に与えた力を推定できるよう開発した。さらに一定方向に押す力、距離を正確に測定できる機器を開発し、物体の硬さを推定しようとしている。
豚を用いた計測:上記装置により、豚を用いて人間に行うのと同じ腹腔鏡下手術を行い、データを採取した。現在このデータを解析中である。また、同時に医師の加える力や手の動きや範囲等に関係するデータの採取も行った。上記装置を用い、豚の臓器を破断させた。この破断限界及び破断の予知が可能な力のパラメータを解析中である。

今後の研究の推進方策

今後、豚の実験で得たデータを用い、臓器の硬さ、臓器の破断限界等を解析していく。さらに、危険な手術手技を物理学的に識別できる方法を検討する。現在の装置では術具の位置情報を手術画像のみから得ているが、これでは不十分なので、磁気センサの導入で位置情報を正確に把握する。

次年度使用額が生じた理由

物品費を予想額よりも低く抑えることが出来たため、繰越額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度に繰越し、シュミレーター機器、解析装置の購入に当てる予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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