研究課題/領域番号 |
26462423
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
千原 良友 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40405395)
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研究分担者 |
藤本 清秀 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50264867)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 膀胱癌 / DNAメチル化 / 尿中剥離細胞 |
研究実績の概要 |
これまで、FoxD3、BRCA1とがん幹細胞マーカーであるOCT3/4、SOX2のDNAメチル化レベルが膀胱癌組織と担癌患者尿で有意に変化することを確認した。すなわち、膀胱癌組織と正常尿路上皮、あるいは担癌患者尿と健常者尿の尿中剥離細胞での比較では、それぞれ前者でFoxD3、BRCA1のDNAメチル化レベルが有意に低下する。本年度は膀胱癌術後症例の経日的尿45症例を対象として同様の解析を行った。45症例中3例に再発を認め、このうち2例では術後正常化したFoxD3、BRCA1のメチル化レベルが、膀胱鏡による再発確認より以前に再度が低下した。一方、再発を認めなかった42症例では両遺伝子のメチル化レベルは変化しなかった。また同試料を用いた尿細胞診の結果は2例とも陰性であり、DNAメチル化レベルの変化は従来の診断的手法より早期に検出可能であることが示唆された。 しかしながら、膀胱癌組織でメチル化レベルが上昇したSOX2と、低下したOCT3/4のメチル化レベルは尿中剥離細胞には反映されなかった為、当初予定した5種類のマーカーを再度選出する必要がある。尿中剥離細胞を対象としたDNAメチル化プロファイルのデータから再度標的遺伝子を選出し、組織、尿試料を用いて同様の検証研究を継続する。また再発症例の試料採取も継続して行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析対象となる尿試料数不足、マーカーとなる標的遺伝子の再選出が必要である為。
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今後の研究の推進方策 |
尿試料を対象としたDNAメチル化プロファイルのデータより新たな標的遺伝子を選出する。また解析対象試料を継続して収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析対象となる試料数不足
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次年度使用額の使用計画 |
同様の解析を行う。
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