研究課題/領域番号 |
26462425
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 令央奈 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30326368)
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研究分担者 |
吉川 和朗 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (30423940)
柑本 康夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50295820)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 免疫療法 / 遺伝子免疫療法 / 癌幹細胞 / 中心体関連抗原 / 樹状細胞 / Cep55/C10orf3 / survivin |
研究実績の概要 |
中心体関連遺伝子は、細胞の分化に必須の遺伝子であり腫瘍免疫において理想的な標的となり得る。その中でもsurvivinは抗アポトーシス作用を有している。樹状細胞(DC)にsurvivinを遺伝子導入することにより標的抗原としてだけでなくDCのviabilityの延長効果も期待できる。今回我々は、中心体関連遺伝子であるsurvivinとCep55/chromosome 10 open reading frame 3 (Cep55/C10orf3)をDCに遺伝子導入し、これらを用いて泌尿器癌に対する免疫療法の可能性について基礎的検討を行った。【方法】survivin、Cep55/C10orf3発現アデノウィルスベクターを作製し、各遺伝子導入DC(DC-survivin、DC- Cep55/C10orf3)を作製した。DC-survivinのviabilityはtrypan blue stainingで検討した。DC-survivin、DC-Cep55/C10orf3より細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導し、その障害活性を泌尿器癌細胞株(T-24、LNCaP、DU-145)を標的とし4時間LDH-release assayで検討した。【結果と考察】3週間経過時、DC-survivinのviabilityの延長効果を確認できた。DC-survivin、DC-Cep55/C10orf3により誘導されたCTLはT-24、LNCaPに対し高い細胞障害活性示した。さらにこれら2つを併用することにより、T-24、LNCaPで障害活性の増強効果を認めた。これには、DCのviabilityの延長効果の影響が考えられた。中心体関連腫瘍抗原を遺伝子導入したDCによる免疫療法は、新しい治療アプローチの可能性を示唆するものと考えられた。
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