シスプラチン(CDDP)治療後の再燃性尿路上皮癌では上皮間葉転換(EMT)が治療標的となり得る。我々はCDDP耐性尿路上皮癌T24PR・5637PR細胞のアレイ解析から、CDDP耐性下のFBXO32発現低下に注目した。In vitroではFBXO32ノックダウンに伴うEMT誘導が確認され、結果は過剰発現系で検証された。臨床組織ではFBXO32低発現群におけるEMT誘導が確認された。FBXO32発現低下の原因として、T24PR細胞ではFBXO32遺伝子のコード領域でヘテロ接合性消失が確認された。5637PR細胞ではFOXO1/3aの核内発現が低下しており、FBXO32発現抑制の一因と考えられた。
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