研究課題
CRPCにおけるmicroRNAの発現を、全ゲノムシークエンスを用いて解析し、前立腺癌において発現が低下しているmicroRNAを同定し、その機能解析を行った。miR-452は、CRPCで低下しているmicroRNAの一つで、miR-452をtransient transfectionすることで、アンドロゲンレセプター陰性のPC3、DU145細胞株において、転移、浸潤能が低下することが示されtumor suppressorと考えられた。その、標的遺伝子を探索するためにin silico assayを用いて、GEO data, gene spling softwareを用いて、標的遺伝子を選出し、その一つとしてE3 ubiquitin ligase-1 (WWP1)が最も有意な標的遺伝子としてあげられた。WWP1は前立腺癌の転移巣において発現が強いことが免疫染色にて示された。miR-452をtransient transfectionすると、WW1の発現は抑制された。WWP1の発現をsi-RNAを用いて抑制すると、前立腺癌細胞の浸潤、転移能が低下したことからWWP1はoncogeneであることが示された。miR-452とWWP1はともに直接結合することがルシフェラーアッセイにて示された。さらに、miR-452の発現を高値と低値の2群に分けて、進行前立腺癌のCRPCになるまでの期間(PFS)をKaplan-Meier法にて検討すると、有意にmiR-452の発現が低い前立腺癌において予後が悪いことが示された。これにより、miR-452の発現は予後を予測する因子であると同時に、その標的遺伝子WWP1の発現を抑えることがCRPCの治療の可能性として考えられた。以上は論文およびAACR2017にて成果を報告した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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