尿路上皮癌の治療に関しては、手術療法以外には放射線治療とシスプラチンを中心とした化学療法以外に現在選択肢がない。そこで新たな治療を開発するか既存の治療の効果を拡大することが重要である。本研究は、シスプラチンの治療効果を増大するために脂肪酸とリゾリン脂質を遊離する酵素であるホスホリパーゼ2に着目した。そのうちのカルシウム非依存性のホスホリパーゼ2が、膀胱癌細胞の増殖抑制に関与することを見いだした。そこでカルシウム非依存性のホスホリパーゼ2の阻害剤とシスプラチンを併用しより高い効果を得ることを見いだした。現在臨床応用に向けて検討中である。
|