• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

前立腺特異的PTEN/p53ダブルノックアウトマウスモデルに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462433
研究機関近畿大学

研究代表者

デベラスコ マルコ  近畿大学, 医学部, 助教 (20449838)

研究分担者 植村 天受  近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード前立腺癌 / Cre-LoxPシステム / PTENノックアウトマウス / PTEN/p53 DKO / 動物モデル / PSAコンディショナル
研究実績の概要

PTEN conditional gene targeting (PTEN flox/PSA-Cre) と同じ手法を用い、PTEN+/+/Trp53f/fマウスとPSA-Cre+マウスを交配することにより、PSA-Cre+/Trp53f/fマウスを作製し、我々が確立した♂PSA-Cre+/PTEN homo deletionマウスと交配させ、PSA-Cre+/PTENf/+/Trp53f/+ (PTEN、Trp53ともにヘテロ欠失型)を確立した。その後、ヘテロ型を交配させて、第一目的であるhomo deletionすなわちPSA-Cre+/PTENf/f/Trp53f/fマウスを確立した。組織学的な経時的変化(PINや癌の発生、転移の有無など)をCharacterizeしたところ、易転移性の極めて悪性度の高い前立腺癌モデルであることがわかった。また、各表現型におけるラージスケールによる生存期間の確認と転移臓器の確認(死因)したところ、ダブルノックアウトマウスモデルでは、通常のPSA-Cre+/PTEN homo deletionマウスと比べ12週間以上短い生存期間であり、ヒトにおける第3相試験のようにOSをエンドポイントにおいた治療研究が可能と思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PSA-Cre+/Trp53f/fマウスを作製し、♂PSA-Cre+/PTEN homo deletionマウスと交配させ、PSA-Cre+/PTENf/+/Trp53f/+ (PTEN、Trp53ともにヘテロ欠失型)を確立し、交配により計画通りPSA-Cre+/PTENf/f/Trp53f/fマウスを作製した。同時に各シグナル分子の発現をチェックすることで、PTEN/p53 DKOマウスモデルを確立したことを確認し得た。また、このPTEN/p53 DKOマウスモデルの有用性についても検することができた。これらは当初、かなり時間を要すると思われたが、大量の動物実験を行うことで達成し得た。メタボロノーム解析についても、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社と組織・培養細胞の解析について契約を済ませ、サンプリングを行っている。

今後の研究の推進方策

1)本PTEN/p53 DKOマウスモデルを用いた、治療実験(Intervention研究)を行い、腫瘍縮小など近接効果だけでなく、生存曲線を描き、生存期間をプライマリーエンドポイントにした治療実験を行う。
2)培養細胞を確立し、DKOマウスの前立腺癌細胞のCharacterについて分子レベルで検討する。
3)現在計画中のメタボロノーム解析を実行し、結果について検討する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度から37万6030円を今年度に持ち越した。ほぼ予定通りの実験を遂行できたが、年度末の発注分や組織のブロック作製費などの支払いが反映されていないために、見かけ上、少額を持ち越した形となった。

次年度使用額の使用計画

今年度は本DKOマウスを用いて、ヒトの第3相開発治験に酷似した治療研究を行う予定である。すなわち生存期間をエンドポイントにする治療研究を行い、各種パラメータの統計学的検討を行う。そのため、多くの組織検体について、多くの関連分子の発現解析が必要となり、免疫組織染色だけでなく、タンパク発現量の定量のために大量の抗体に費用が必要となる。加えて、メタボロノーム解析に100万円以上が必要となるため、すべてを使用すると思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Androgen deprivation induces phenotypic plasticity and promotes resistance to molecular targeted therapy in a PTEN-deficient mouse model of prostate cancer2014

    • 著者名/発表者名
      M.A. De Velasco, M. Tanaka, Y. Yamamoto, Y. Hatanaka, H. Koike, K. Nishio, K. Yoshikawa and H. Uemura
    • 雑誌名

      Carcinogenesis

      巻: 35 ページ: 2142-2153

    • DOI

      10.1093/carcin/bgu143

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of a lethal genetically engineered mouse model of prostate cancer for surivival studies and end-stage cancer2014

    • 著者名/発表者名
      植村天受、倉由吏恵、畑中祐二、山本 豊、清水信貴、吉村一宏、野澤昌弘、吉川和宏、西尾和人、デベラスコ マルコ
    • 学会等名
      第73回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市(パシフィコ横浜)
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27
  • [学会発表] Functional evaluation of synchronous inactivation of PTEN and P53 in a murine model of prostate cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      H. Uemura, Y. Kura, N. Ando, E. Fukushima, Y. Hatanaka, Y. Yamamoto, N. Shimizu, K. Yoshimura, M. Nozawa, K. Yoshikawa, K. Nishio and M.A. De Velasco
    • 学会等名
      AACR
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2014-04-05 – 2014-04-09

URL: 

公開日: 2016-05-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi