本研究では既存のプロテアソーム阻害薬、HIVプロテアーゼ阻害薬、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬を用いて膀胱癌に対する小胞体ストレス誘導を介した新規治療法を開発することを目的とし、7種類の併用について検討を行った。いずれの併用でも小胞体ストレスを誘導することでアポトーシスを惹起し、膀胱癌増殖を抑制することができた。小胞体ストレスは異常蛋白(unfolded protein)の蓄積によって誘導され、過度に蓄積した異常蛋白は凝集することが示された。更に、小胞体ストレスの誘導は、ヒストンアセチル化およびmammalian target of rapamycin経路の抑制と関連していた。
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