研究課題/領域番号 |
26462436
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
松田 陽介 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (90345687)
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研究分担者 |
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Neuromodulation / 脛骨神経 / 神経可塑性 / 神経伝達物質 / 過活動膀胱 |
研究実績の概要 |
中大脳動脈塞栓ラットにおいて、一側脛骨神経の電気刺激(5ヘルツ、200μ秒幅、motor thresholdの2~4倍の刺激強度)の作用を覚醒下で評価した。塞栓後3時間経過で膀胱容量は約50%に減少したが残尿量の増加を認めなかった。最大排尿収縮圧は個体差が大きかったが、統計学的な有意な変化を認めなかった。脛骨神経刺激を行うとラットの体動が大きく、安定した膀胱内圧測定が困難であった。過半数のラットで膀胱容量が増大する傾向にあったが、体動のノイズ等によりnon-voiding contraction (NVC)の評価はできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成27年度の研究計画では、ラット中大脳動脈塞栓(脳梗塞)モデルに対する脛骨神経電気刺激の作用ならびに排尿中枢での神経可塑性に関わる遺伝子(c-fos、zif 268、c-jun等)の発現に加え、中枢神経系でのエンケファリンやGABA等の神経伝達物質を評価する予定であった。しかしながら、現状では中大脳動脈塞栓ラットにおける膀胱内圧測定のデータのばらつきが大きく、脳梗塞を生じたラットにおいて脛骨神経刺激が排尿反射を抑制しているかどうかの評価が困難であり、中枢神経系での神経可塑性についての評価ができていない。このため研究の達成度は遅れているとせざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
中大脳動脈塞栓ラットにおける神経因性排尿筋過活動の発現、脛骨神経電気刺激の作用にばらつきが多き理由の一つとして、研究者の手技未熟による脳梗塞範囲が不安定であることが一因として考えられる。このため、引き続き症例数を増やして研究者の手技を向上させ、理想的な梗塞発症ラットの歩留まりを増す必要がある。 麻酔下での実験では神経伝達物質の受容体の遮断が生じている場合があり、本研究では覚醒下での実験を予定したが、電気刺激の疼痛が大きくラットで安定した排尿反射を確立できない場合には、ウレタン麻酔の併用を検討する。 研究の遅延を解消すべく、平成28年度は本研究の進捗状況に留意し励みます。
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