研究課題/領域番号 |
26462439
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
土田 孝之 山梨大学, 総合研究部, 医学研究員 (30217327)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オピオイド受容体κ型 / 膀胱痛 / ブシ |
研究実績の概要 |
オックスフォード大学は、2014年製薬メーカーと協力して、漢方薬のメカニズムを西洋の科学的な手法で解析する新たな研究を始めている。メーカーが提供する漢方薬の各成分の混合比率のデータなどをもとに、日英両国の約10人の研究者が漢方薬の謎の解明にあたっており、日本でも研究の進行が望ましい。2015年4月に日本泌尿器科学会総会、フロンティアシンポジウムにて、ブシを含んだ漢方の膀胱痛に対する作用機序の基礎的解明と臨床的実践について発表した。間質性膀胱炎の研究は、局所の膀胱痛について研究が主体となっているが、神経障害性疼痛が間質性膀胱炎の病態のひとつであることを強調し、基礎研究結果と実臨床におけるブシの有効性、安全性についてデータをもとに発表した。 今回の研究において、求心性ならびに下降抑制系における鎮痛効果について研究進行中である。 漢方の製薬会社、ナルフラフィン塩酸塩の製薬会社との情報交換を行いながら、ナルフラフィン塩酸塩で確認されている実験系を確立するよう努力している。 1.帯状疱疹急性膀胱痛モデル(ラットの膀胱粘膜下にHSV-1を感染させたモデル)2.化学刺激膀胱痛モデル(膀胱内に5%ホルマリン溶液を注入)1.2に対して、非投与群、ブシ末投与群(各容量にて)、ナルフラフィン投与群(各容量にて)ラットの行動観察ならびに尿流動態検査等に確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットの実験設定に苦慮している。 漢方投与サイクルとナルフラフィンの投与サイクルが違い、コントロールの設定が変わるため、効果判定しにくい。 漢方の製薬会社、ナルフラフィン塩酸塩の製薬会社との情報交換を行いながら、漢方投与の実験系とナルフラフィン投与の実験系の摺合せを行っている。動物用膀胱内圧測定装置、代謝ケージ(MCM/TOA-UF001)、テレメトリーによる行動分析装置は、過活動膀胱の研究についても稼働中であり、この研究に応用している。
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今後の研究の推進方策 |
漢方の製薬会社、ナルフラフィン塩酸塩の製薬会社との情報交換を行いながら、漢方投与の実験系とナルフラフィン投与の実験系の摺合せを行っている。 ナルフラフィン塩酸塩で確認されている実験系を確立するよう努力していく。 今後動物用膀胱内圧測定装置、代謝ケージ(MCM/TOA-UF001)、テレメトリーによる行動分析装置は、過活動膀胱の研究についても稼働中であり、また別の研究において、病態の変化と尿の成分分析も行われているため、共同し、情報交換を積極的に行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した試薬等が予定より安く納品できたため若干の繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験、データ解析等で消耗品が必要となる為繰越金で補填する。
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