2015.04には日本泌尿器科学会総会にて招待講演で発表した。(附子を含んだ漢方の膀胱痛に対する作用機序の基礎的解明と臨床的検討)2015.03 Sciense of Kampo Medicineに講演内容を投稿した。 漢方投与サイクルとナルフラフィン塩酸塩の投与サイクルが違い、コントロールの設定が変わるため、効果判定が困難であった。個々のコントロールとの効果の差についてはある程度の結果が得られているが、有意差が得られていない。求心性ならびに下降抑制系における鎮痛効果は理論的には可能と思われるが、疼痛緩和の効果が得るためには、掻痒治療の何倍かの濃度が必要とされ、副作用が軽減できなかった。 最近ナルフラフィンのフリー体を含有し、製剤中薬物安定性と製剤から生体への薬物移行性のいずれも高いナルフラフィン含有局所適用製剤の特許が取得された。そう痒治療の分野においては、全身性の副作用リスクを軽減するために、局所適用製剤を第一選択薬として用いることが推奨されている。実際に、ナルフラフィン塩酸塩は、全身性の副作用として不眠、便秘および眠気などが認められているため、局所適用製剤化のニーズが高まっている。 今回の研究では、漢方単独、ナルフラフィン塩酸塩単独では効果判定がなかなか困難であることがわかった。しかし漢方とナルフラフィン塩酸塩を併用することによって、安全域での鎮痛効果が得られる可能性が示唆された。
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