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2014 年度 実施状況報告書

自家骨髄幹細胞・脂肪組織由来幹細胞を利用した細胞シートを用いた下部尿路再生療法

研究課題

研究課題/領域番号 26462441
研究機関信州大学

研究代表者

石塚 修  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20184541)

研究分担者 今村 哲也  信州大学, 医学部, 特任講師 (00467143)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード再生医療 / 膀胱 / 骨髄幹細胞 / 脂肪幹細胞 / 尿道括約筋
研究実績の概要

今年度は骨髄幹細胞および脂肪幹細胞の遊離および培養に重点をおいた。①ラット、ラビットの大腿骨骨髄より注射針で骨髄由来幹細胞を採取し15% fetal bovine血清および抗生剤附加のDulberco Modified Eagle Mediumの中に入れた。②これらの細胞を遠心分離した後に、TypeⅠcollagenでコートした培養皿で7日間初代培養した。培養によって接着伸展した骨髄由来幹細胞を温度感受性培養皿(37℃では疎水性、20℃では親水性の性質をもつ)で継代培養し、単層の骨髄幹細胞シートを作製した。③また、これらの実験動物の腹腔内の脂肪細胞からも同様な手法を用いて、脂肪幹細胞の分離培養を行い、脂肪幹細胞由来の細胞シートを作製することができた。骨髄幹細胞由来の細胞シート脂肪幹細胞由来シートと比較を行ったが、シート作製にかかる時間、コスト、作業効率では、ほぼ同等と思われた。④それぞれのシートにおいて再生能力としての有用性も、パイロット研究として放射線照射を行った膀胱に対しても行った。免疫組織学的および膀胱内圧検査にて膀胱機能として検証を行ったが、ほぼ同等の結果を得ることができた。④また、Nerve Growth Factorなどの成長因子の添加で、培養効率をあげる今後の研究展開も視野に入れるため、まず、それらの因子の濃度測定も行った。その結果、いずれの成長因子の増加も確認できたが、特に線維芽細胞成長因子が高いことを発見した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度の研究結果は、再生医療研究に関する雑誌では、国際的に評価の高いTissue Engieering(Impact Factor 4.254) に掲載されている。
Imamura, T., Ogawa, T., Minagawa, T., Yokoyama, H., Nakazawa, M., Nishizawa, O., Ishizuka, O.: Engineered Bone Marrow-derived cell sheets restore structure and function of radiation-injured rat urinary bladder. Tissue Eng. Part A 2015 Mar 26 [Epub ahead of print]

今後の研究の推進方策

①幹細胞培養途中の5日目の時点で、Lipofectamine 2000 Reagentを使用し、GFP(Green fluorescence protein)発現遺伝子を培養細胞内にトランスフェクションしてマーキングする、もしくは、蛍光時間の長いQtracker cell labeling kits 1重染色によるマーキングを行う。②膀胱・尿道括約筋障害ラットの膀胱、尿道括約筋の再生を検討するため、漿膜側より-80℃のアイスバーで障害を受けた膀胱モデル(Imamura T., Tissue Eng. 2009)、もしくは下部尿路閉塞のために二次的に障害を受けた膀胱モデル、糖尿病による神経障害のために二次的に生じた排尿筋収縮障害をもつ膀胱へ、30G注射針を使用して膀胱壁に骨髄幹培養細胞、もしくは脂肪培養細胞を移植する。また、同様に膀胱内側より、-80℃のアイスバーで内尿道括約筋の障害を受けた腹圧性尿失禁モ尿道括約筋の再生を検討するため、放射線障害により尿道括約筋収縮力の低下した尿失禁モデル(Imamura T.et al, Tissue Eng., 2012)、尿道もしくは尿管を途中から断裂させた尿道・尿管損傷モデルに対しても同様な細胞移植を行う。③移植後3日目、14日目に膀胱および尿道括約筋を取り出し、Monoclonal anti-GFP 抗体、平滑筋特異抗体を使用して免疫二重染色を行い、レーザー蛍光顕微鏡で移植した細胞の分化、つまり、筋層をはじめとする膀胱および尿道括約筋、尿道、尿管の再生を観察する(Imamura T. et al., Tissue Eng. 2009, 2012, 2013)。また、14日目においては、Acta2 primerを使用してalpha smooth muscle actinを、Myh11 primerを使用してsmooth muscle myosin heavy chainを、Real time RT-PCR法にて定量測定し、骨髄幹細胞もしくは脂肪細胞の膀胱平滑筋、内尿道括約筋、尿道、尿管への分化、再生についての評価も定量的に行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Engineered Bone Marrow-derived cell sheets restore structure and function of radiation-injured rat urinary bladder.2015

    • 著者名/発表者名
      Imamura, T., Ogawa, T., Minagawa, T., Yokoyama, H., Nakazawa, M., Nishizawa, O., Ishizuka, O.
    • 雑誌名

      Tissue Eng. Part A

      巻: 21 ページ: 1600-1610

    • DOI

      10.1089/ten.TEA.2014.0592

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Implantation of autologous adipose-derived cells reconstructs functional urethral sphincters in rabbit cryo-injured urethra.2014

    • 著者名/発表者名
      Sudha, G.S., Imamura, T., Ishizuka, O., Zhang, L., Yamagishi, T., Yokoyama, H., Minagawa, T., Ogawa, T., Kurizaki, Y., Kato, H., Nishizawa, O.
    • 雑誌名

      Tissue Eng. Part A.

      巻: 20 ページ: 1971-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 下部尿路再生をめざした新規細胞凝集体(スフェロイド)シート作製の試み2015

    • 著者名/発表者名
      今村哲也、小川輝之、今村哲也、小川輝之、皆川倫範、永井 崇、横山 仁、石川雅邦、平形志朗、道面尚久、中沢昌樹、石塚 修
    • 学会等名
      第104回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      ホテル金沢
    • 年月日
      2015-04-18
  • [学会発表] Transplantation of cell sheets produced from bone marrow-derived cells reconstructs functional urinary bladders in radiation injury rat models.2014

    • 著者名/発表者名
      Imamura, T., Ishizuka, O., Ogawa, T., Yokoyama, H., Minagawa, M., Nakazawa, M., Nishizawa, O.
    • 学会等名
      The 44th Annual Meeting of the International Continence Society.
    • 発表場所
      Rio de Janeiro, Brazil
    • 年月日
      2014-10-20 – 2014-10-24
  • [学会発表] Cell sheet produced by bone marrow-derived cells regenerate functional urinary bladders in rat radiation-injured bladder model.2014

    • 著者名/発表者名
      Imamura, T., Ishizuka, O., Ogawa, T., Minagawa, M., Yokoyama, H., Nakazawa, M., Kato,H., Nishizawa, O.
    • 学会等名
      The 9th Pan-Pacific Continece Society Meeting.
    • 発表場所
      Taichung, Taiwan
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-13

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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